「レクサス HS」このモデルはレクサスはもちろんトヨタとしても、歴史に名を残す重要な車

HSは2009年から2018年まで販売されていたハイブリッドの専用車種です。最近販売終了してしまい残念ですが、このモデルはレクサスはもちろんトヨタとしても、歴史に名を残す重要な車です。販売終了してからトヨタから販売されたSAIというモデルは、HSの姉妹車でありハイブリッドシステム、プラットフォーム、車体そのものまでほぼ共通設計で作られています。しかし米国向けではなかったことと、価格を抑えるためなのかレクサスの特徴でもある静粛性はHSの方が高くなっています。

ちなみに車名はHybrid Sedanから名付けられているように思われがちですが、Harmonious Sedanの略で、ハイブリッドにすることで地球と人と上質との調和、ハーモニーをテーマに掲げられて開発されたことに由来しています。

約9年の歴史

まずHSの道のりについて紹介していきたいと思います。トヨタのハイブリッドといえば、プリウスが真っ先に浮かぶ人が多いかと思いますが、実はレクサスとトヨタ含めHSはプリウスの次に誕生したハイブリッド専用車でした。発売後1ヶ月で8,600台もの受注を記録し、スタートは好調でした。HSを後押しした理由の一つとして、当時はプリウスが波に乗っており、世の中でハイブリッドブームが巻き起こっていました。あまりに注文が重なり、2009年の7月に販売開始したのですが9月8日以降に申し込んだものに関しては2010年の4月中頃以降のお届けとなってしまいエコカー補助金期間に間に合わなくなりました。これは同じ現象がプリウスでも起こっていました。販売から3年後の2012年には北米での販売終了しました。健闘しましたが、なかなか北米ではうまくいかなかったようです。

2013年にはマイナーチェンジが行われました。新しいスピンドルグリルやLEDフォグランプが採用され、見た目がレクサスらしく重厚さが感じられるようになりました。また国内専用車となったこともあり、アメリカで必要なオレンジサイドリフレクターがホワイトリフレクターに変えられました。(法律的な決まりなので仕方ありませんが、個人的にはあまり好きじゃないのでホワイトの方が良いと思います…)カラーでも新しい色が加わり、インテリアではブラック&ガーネットとエクリュが追加されました。また車体に関しては材質を変えることでさらに静粛性をアップしスポット溶接打点を増やすことによりボディ剛性が高められています。さらに機能としてはパフォーマンスダンパーを追加し、振動をより吸収しどっしりと安定した滑らかな走りとなりました。さらにドライブモードセレクトに新たにSPORT MODEが加わり、加速を高め元から付いていた電動パワーステアリングの性能をアップさせました。そのおかげでスポーティな走りも思いのままとなりました。

2014年の改良では、災害などのための非常用電源としてアクセサリーコンセントがメーカーオプションとして加わりました。万が一の際にはもちろん、普段の生活にも役立つと思うので、今後中古車市場での購入を検討されている方は、できたらこのオプションが付いている車体が見つかると良いと思います。ボディーカラーも4色追加され、バージョンも標準仕様がversionCという名前に変わり、専用本格シートやステアリングのデザインを一新し、さらにラグジュアリーさをアップさせました。

2017年には特別仕様車であるHarmonious Style Edetionが販売されています。エクステリアはリアガーニッシュ、フロントグリルなどにシルバーメッキが入っており、見た目が他とは違うと一目で分かります。インテリアではアイボリーのステッチにアイボリー&ベージュ、ブルーステッチにブラック&ブルーという2色があり、鮮やかながらも落ち着いたシックな雰囲気が漂っています。安全面でも様々な機能が追加されています。ブレーキ制御が付いているレーダークルーズコントロール、ミリ波レーダー方式のプリクラッシュセーフティを筆頭により安全が強化されています。販売終了する約1年前ということもあり今後中古車市場でも価格がどうなっていくのか気になるところではあります。

レクサス初の…

まず言わずと知れたことですが、レクサスで初めてのハイブリッド専用車種がHSでした。その後プレミアムコンパクトクラスではありますがCTが登場し、CTは価格もHSに比べてレクサスの中でも比較的手頃だということもあり、人気を博しレクサスのエントリーモデルにもなっています。皮肉にもHSはこのCTの登場により、売れ行きが低迷してしまい北米から撤退し(円高の影響もありますが…)、最終的には日本市場専用車種となりました。

その次として、日本におけるレクサスとして初めての直列4気筒エンジンと同時にレギュラーガソリン対応車でもあります。ただでさえ低燃費で良いのですが、レギュラーということでさらにガソリンの価格が抑えられるのは嬉しいポイントです。またレクサスのみならず、世界的にもDセグメント車としても初めてのハイブリッド車でした。レクサスとしては完全に北米に向けて製造したというよりは、日本での都市部でも乗りこなしやすいサイズを目指したということもあり迫力がありつつも程よい大きさで開発しました。

レクサス、トヨタだからこそできるハイブリッドのこだわり

HSのハイブリッドの仕組みとしては、リダクション機能付THS-Ⅱというトヨタ独自のハイブリッドシステムが使われており、これはプリウスにも搭載されています。バッテリーや電気モーターも同じものですが、しかしガソリンエンジンが2.4Lでプリウスの1.8Lを上回っており、力強くスピードが出ながらも23.0km/Lという驚異的な低燃費の数値を叩き出しました。しかしレクサスには欠かせない静粛性もしっかりお墨付きです。そして滑らかさも備わっているので、長距離でも疲れにくいです。しかし車内は狭めなのでファミリーでの旅行ではちょっと辛い部分もあるかもしれませんが、夫婦やカップルには普段使いにも遠出の旅行にも楽に運転ができるかと思います。電気モーターは2JM型が採用されており、143ps、105kWと27.5kgf・m、270Nmという最高出力と最大トルクを備えています。

エクステリアとインテリア

もちろんハイブリッド、性能が気になる部分ですが、デザインにもしっかりこだわりが詰まっています。レクサスのL-finesseに基づき、そしてこのエクステリアはデザインに留まらず、空力性能もCd値を0.27という数値を出しており、スピードにも貢献していることが伺えます。しかしレクサスの中では少し車高が高めなので、オーナーの中にはもう少しスポーティーさが欲しかったという声もあります。マイナーチェンジで10mm下げていますが、それでも中には気になる方がいるのかもしれません。何に重きを置くのかという部分ではありますが、気になる方は車高も気にしておくと「思ったより…」というのも防げるかと思います。

2007年からはスピンドルグリルやLEDライトも取り入れられ、レクサスらしい顔つきになりました。インテリアではラグジュアリー感はもちろん、環境のことも考えられ、エコプラスチックや天然素材バンブー、縞杢などが採用されています。また要所要所に木が使われていることで高級感を演出し、デザイン的にも良く、唯一無二の雰囲気があります。設備面でも様々な機能が搭載されています。ドライバーズシートを自動でスライドできるパワーイージーアクセスシステム、車内の空気をきれいにしてくれるプラズマクラスター付きのエアコン、車内の左右をチェックしてくれるワイドビューフロントモニターなどが付いています。

今後もレクサスのハイブリッド車に期待

今やトヨタもレクサスもハイブリッドなしでは考えられないほど、ハイブリッド車の存在は大きく、今後さらにどのような進化を遂げていくのか気になるところではあります。HSは歴史に幕を下ろしてしまいましたが、HSに引き続き今後また新たにレクサスからハイブリッド専用車種が登場するかもしれません。今後もレクサスのハイブリッド車を温かく見守っていこうかと思います。

[ライター/A. Oku]