遊びゴコロが込められているモデル「レクサス IS コンバーチブル」はエクステリアにも味わいがある

ISそのものは1999年から現在も販売されていますが、その中でコンバーチブルは2008年にパリ国際モーターショーで発表され、2009年から2014年と約5年とわずかな間に販売されていたちょっとプレミア的存在のモデルです。日本では初め2,500ccであるIS250Cが販売され、2010年に既に北米を中心に国外では発売されていた3,500ccのIS350Cが追加されることになります。ISコンバーチブルは、この2種類が主なモデルとなります。また短い期間の販売でありながら、毎年小さな改良が行われており、年式によってある機能とない機能があるので、現在中古車市場で購入される場合はそこも気にしてほしいところです。

レクサスでコンバーチブル、カブリオレのイメージはあまりないと思いますが、そもそもカブリオレ自体がレクサスの中でこのISとSC、そして最近LCでもコンバーチブルモデルが追加されることが発表されましたがそれくらいです。性能が…、技術が…云々を語るよりもどちらかと言えば遊びゴコロが込められているモデルだと思うので、そんな気分を盛り上げてくれるポイントを挙げていきましょう。

ISセダンとの違い

まずボディタイプ以外に、セダンとはどう違うのか紹介します。デザイン面ではエクステリアは9色、インテリアも7パターンとカラーが多く設定されています。個人的におすすめするのが、2010年に追加されたラピスラズリマイカというボディカラーです。ラピスラズリを模した深い濃い青色はオープンカーにしてもかっこよく、気持ちいい運転が楽しめるはずです。(しかし現在ではあまり中古車市場で見かけません…)そしてボディもルーフを閉じていたとしてもISセダンとは絶妙に違う印象があります。横側の滑らかで伸びのある線とシャープなフロントバンパーがスタイリッシュさと速さを感じさせ、セダンよりスマートな印象を与えます。

メタルトップの静かな開閉

屋根は軽いアルミニウム合金製であり、電動開閉式のメタルトップとなっています。開閉はなんと20秒というわずかな時間で、なおかつ非常に静かに行うことができます。ガチャガチャウィーンガタガタといった音もなく、さすが高級車と言わせる技術が垣間見えます。気軽にオープンカーに変えることができるので、季節や天気を気にせず楽しめます。雨が降ってきたのにあの車屋根がないよー、なんて子供に言われることもありません。メタルトップを開けてみたら、3分割式のメタルトップによりルーフの部分を長めに設計できることもあり、フロントウィンドウ以外全てスッキリとしまうことができて、そのフロントウィンドウもドライバーの上まで被さらないので非常に気持ちいい開放感があります。さらに2010年からは全ての窓を一括で開閉できるスイッチが追加されています。初めは慣れないかもしれませんが、使っていると結構便利な機能です。必要度合いはそんなに高くないかもしれませんが、このような日常をちょっと特別なものに彩ってくれるような機能はプレミアムカーならではだと感じます。

コンバーチブルにはない機能

コンバーチブルにしかない機能は多々ありますが、逆にコンバーチブルだけ付いていない機能もあるので、中古でご購入の際は気をつける必要があります。まずセダンにはあるスポーツサスペンションが搭載されているversionSはコンバーチブルにはありません。見た目はスポーツ感があるだけに、ここは注意しておきたい点です。またマニュアルはISセダンのみで、コンバーチブルはオートマしかありません。

走り心地

走り心地は意外に柔らかい足回りで、ソフトな走りでありながらもボディの剛性は高く作られています。ルーフがある状態ではもちろん、ルーフがなくてもしっかりとボディ剛性の高さが感じられます。しかしながらどうしてもセダンと比べるともったりとした感触があるのも事実です。というのも、セダンよりも160kg車重が増えているので仕方ない部分ではあります。ただそれはあくまで比べてみたらということであって、ISコンバーチブルそのものは2.5LのV6エンジンで車を走らせる力としては十分です。街中で使うにも問題ありませんが、ぜひ高速道路などで4000rpmほど走らせて車の力を実感してほしいところです。車のサイズと重さにしては十分にパワフルな力をもっています。

ハンドリングも軽やかで、程よい感じに後輪駆動の良さを感じさせてくれます。この爽快感はメタルトップを開けただけではなく、この軽やかなハンドリングにもありました。これ以上ないほど気合入っています!というパワーにはやや欠けますが、程よい肩の抜き加減が良い運転に繋がっている雰囲気があります。

F SPORTも

2012年に行われた改良でISのコンバーチブルにもF SPORTが追加されました。専用スポーツサスペンションとチューニングが施され、スポーティな運転が可能となり、見た目だけではなく?(ノーマルなバージョンも十分走りますが、さらに本格的にスポーツ走行も可能となったわけです)走りの面でもさらに本格的になりました。フロントデザインが専用仕様となっており見た目でもF SPORTであることがわかるようになっています。

2013年には改良も施されました。まずインテリアカラーに専用色であるダークローズが追加され、濃く重厚感のある赤はますますドライブタイムをラグジュアリーなものにしてくれます。オーナメントパネルもミディアムシルバーが追加されました。室内の色は普通の車では自分が満足できればいいところですが、やはりコンバーチブルはトップを開けたら周りから丸見えなので、何でもいいというわけにはいきません。とことんこだわれるよう多くの色を用意してくれているのも嬉しいポイントです。そして安全面で高度道路交通システムスポット(ITS)と双方向通信ができるITSスポット対応DSRCユニットを標準装備されました。これは合流についての案内や前方にある障害物を事前に音や画面での画像で知らせてくれるもので、さらに安心して運転ができるようになりました。

使い勝手のよさも魅力

とにかくかっこよくて面白い車だということは伝わったかもしれませんが、普段使う上ではどうなのか気になるところです。2ドアですが実は意外に後部座席も広く天井も高さがあり、大人の男性でも座れるようになっています。というのも長さは4,635mmと大きく、その割合的に室内にもしっかり幅が取られています。自動で開閉するメタルトップを備えながら、4人乗りのモデルというのは外車では多々見られますが、日本車ではなかなか貴重な存在です。さらにルーフを開けながらもなんと大きなスーツケースが余裕で1台入る広さのあるトランクは、メタルトップのオープンカーでは大きなトランクな方で、旅行でも使えると思います。こんなコンバーチブルでメタルトップを開けたら爽やかな季節の旅行は最高の贅沢ですね。

まとめ

販売されていた時期的に、レクサスの強いイメージである迫力あるスピンドルグリルもまだ付いておらず、見た目では現在のレクサスの雰囲気とはまた異なる趣があります。パッと見ではレクサスと気付かれないかもしれません…、がこれはこれで味わいのあるエクステリアだと思います。今後数が減っていく一方だと思うと、これも貴重な存在です。

販売終了してから5年ほどになりますが、中古車市場ではまだ数もあり価格も保っています。今後どんどん減っていき希少価値がつけられ高くなる可能性も考えられます。便利さや効率性を研究し続けるのももちろん期待していますが、やはりたまにはこういう遊びの車、楽しませてくれる車があってこそレクサスの余裕を感じさせます。常にせめて1モデルはいつもこのような車がラインナップにあると面白いなと思います。次はLCのコンバーチブルが発表されていますが、発売されていかに楽しませてくれるのか乞うご期待ですね。

[ライター/A. Oku]