レクサス NXは2014年から販売されているレクサス初のコンパクトクロスオーバーSUVです。「Premium Urban Sports Gear」がコンセプトであり、直訳すると「特別な 都市 スポーツ ギア」、つまりSUVでありながら都市を軽快且つ機敏に走り抜けるように作られた車です。ハイブリッドの300hと直列気筒2.0Lエンジンの300があります。
爽快なクロスオーバー、レクサスでしかつくれないSUV
NXの意味が「nimble(素早い、爽快な)、cross(x)over(クロスオーバー)」ということで、まさにその名をテーマにNXは開発されました。先程のコンセプトにも通じることですが、ドライバーのハンドリング、ブレーキングやアクセルワークに忠実に反応し、それが滑らかな運転に繋がるよう研究されました。特にハンドリングにはこだわられており、ドライバーの意のままに動き、SUVであることを感じさせないような車との一体感を大切にしています。またレクサスの特徴である静粛性はNXにも受け継がれています。
「NXはRX(クロスオーバーSUV)を小さくしただけじゃないの?」と一見思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、そんなことはありません。RXとNXは多々違いがあります。エクステリアは一見ほぼ同じですがライトに特徴があり、クリアランスランプとリアコンビネーションランプに違いがあります。クリアランスランプはデザインはほぼ同じですが、NXはRXに比べて下の方にあります。ヘッドランプときっちり離されています。リアコンビネーションランプはデザインそのものが異なっています。
参考:レクサスの買取専門ページです
反対に共通しているのは、ターボモデルはどちらも8AR-FTS型の2.0L直墳ターボエンジンで同じものが搭載されています。しかし車重がNXの方が約300kg軽いことと、サスペンション周りも改善されているのでその分軽快さがあると思います。キビキビとしたスポーティな走りを楽しみたいのであればNXの方がおすすめです。しかしどっちの方がいい!というものはなく、どちらにも特徴があるので自分の趣旨に沿ったものを選ぶといいですね。
安全性もばっちり備わっています。G-Securityという機能も付いており、これは車内に侵入者や盗難があった時にオーナーに通報したり、鍵締め忘れやハザードランプ消し忘れも知らせてくれる便利なシステムです。こちらが要請すれば車両の追跡や警備員を派遣まで可能です。もしもの事態が起きてもこのように柔軟に対処してくれる機能がたくさん付いているので、ビジネスなど重要な場面でも安心して使うことができます。
300は新型ターボエンジン搭載、300hは得意のハイブリッド
トヨタは近年ハイブリッドに力を注いできていましたが、今回300に新型ターボエンジン「NX200t」が搭載されており、ターボエンジンにも力が注がれているのが見てとれました。トランスミッションはこのターボエンジンに合わせた6速ATで、こちらも新しく開発されました。(6 Super ECTと名付けられました。)
もちろん300hも負けてはいません。ハイブリッドはレクサスの得意分野です。NXにもそれはしっかり継承されています。特にスポーティさを重視しており、加速特性がレクサス独自にチューニングされているので、エンジン出力が強くなっていくと同時にモーターパワーを少しずつ立ち上げる仕組みにより、パワフルな加速感があります。アクセルペダルを踏みこむと、キックダウンスイッチにより加速タイミングをコントロールできるので、走りを楽しみたい人にも満足なはずです。思ったより滑らかにスピードが出てしまうので、スピード越えて捕まらないように注意!なんて声も聞くほどです。
またコンパクトSUVという立ち位置ではありますが、実は車体は意外に大きいです。(全長4,640mm 横1,845mm高さ1,645mm)そのため後部座席はゆったり座ることができ、トランクにはたっぷり荷物が入ります。大きな荷物を載せたい場合は後部座席を倒すことも可能です。特に車高が思ったよりあるのですが、風や橋の上で振られることもなく車は安定を保ち、ハンドルがとられることもありません。曲がりくねった山道でもしっかり地に足をつけた走りをします。大きいので慣れてない方は初めは不安に感じるかもしれませんが、乗ってみたらNXの機敏で軽快な走りによって重たさは感じず軽快に走れます。ばね上制振制御が付けられているためで、これは車両の揺れを計測し、地面の凹凸に沿って駆動用モーターのトルクを制御することができます。これによって揺れを抑えるので、落ち着いた運転を楽しめて、車酔いにひどい方にも良いかと思います。さらに段差などを通るときに車がしなる感じもなく、車本体はかなり頑丈に作られています。
AWDにはE-Fourが搭載されています。これはフロントモーターとリヤモーターが独立している状態で後輪が動くので、凍結した道路でも滑ることなく発進し走行を保ちます。
バージョン別の特徴
まずNXには標準仕様、I Package、version L、F SPORTの4つのバージョンがあります。まず車体の色は全バージョンで選べるのが8色で、F SPORT以外はさらにメテオブルーマイカメタリック(2015年以降はスパークリングメテオメタリック)とファイアーアゲートマイカメタリック(同じく2015年以降はアンバークリスタルシャイン)の2色を選ぶことができます。内装も個々に設定できる色が違い、標準仕様はプラチナム・ブラック・ガーネット、F SPORTはブラック・ブラック&ダークローズ・ダークローズとこの2種は3色から、後の2種はブラック・ガーネット・オーカー・リッチクリームの4色が選べます。色にこだわりがある人は色に合わせてバージョンを決めるのも良いでしょう。
レクサスといえばF SPORTというスポーティーバージョンですが、NXにもちゃんと用意されています。NXそのものがスポーツカーを意識しており、ノーズがステアリングを切る分きっちり向きを変えるよう作られています。しかしF SPORTモードはさらにパフォーマンスが向上しており、NAVI・AI-AVSやパフォーマンスダンパーを標準装備し、スピードを出しても乗り心地や操縦の安定性がキープされるようになっていて、よりハンドリングに沿った運転が可能になりました。内装と外装も共に他のレクサス同様、F SPORT専用になっています。他のバージョンとしっかり区別された作りになっているので、F SPORTを選択する甲斐はあると思います。
特別仕様車である”Urban Style”と”Black Sequence”
NXは2016年に”Urban Style”、2018年に”Black Sequence”と呼ばれる特別仕様車が発売されました。まず全社は普通のNXと違うのはなんといってもエクステリアです。スピンドルグリル、フレーム、アルミホイール、ドアミラーにブラックの塗装を施すことでシックで引き締まったスタイリッシュな雰囲気を漂わせています。ボディは5色のラインナップが用意されており、フェンダーアーチモールがボディカラーと同色になっているのでクールな印象があります。
後者はレクサス全体が日本国内で50万台販売された記念で造られまもので、I Packageをベースにしていますが元々のNXと違う部分はエクステリア、インテリアと共にありますがITS Connectという安全運転支援システム、G-Link機能の一つであるヘルプネットがD-Call Netに対応するなど安全性がさらに重視されています。ドアミラー足元照明も付いており、暗いところでもの車の乗り降りに便利です。
コンパクトSUVはこのNXのみ
レクサスといえばやはりセダンのイメージが強く、SUVも3モデルでその中でもコンパクトSUVはこのNXのみとなっています。しかし、レクサスのもつスタイリッシュさ、運転機能、安全性はそのままに使い勝手の良いコンパクトSUVとなっています。
[ライター/A. Oku]